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「再び目が見えるようになるなんて思ってもみませんでした。今では普通に職場で働くことができ、仕事も確保することができました。すべての皆さんに感謝したい気持ちでいっぱいです。」チャンハラ・モンドール 治療可能な視覚障害の根絶を目指す国際団体サイトセイバーズ・インターナショナルが運営し、視覚障害者支援活動(Seeing is Believing)プログラムを通じて支援されているダッカ都市部総合アイケアプロジェクトの受益者
「視力回復がどれほど一人の人間に影響を与え、その人の人生を変えるかを考えてみてください。視覚障害者支援活動(Seeing is Believing)によってこれまでに何十万人もの人々が治療を受けていることを考えてみてください。これまで見えなかったのが今では見えるようになり、当事者の人生だけでなく、その人たちの家族やその人たちの生活に関わってきたすべての人たちに多大なる貢献をしているのです。ブライアン・ドゥーラン、 フレッド・ホローズ財団CEO

視覚障害者支援活動(Seeing is Believing)

Seeing is Believing(視覚障害者支援プログラム、SiB)は、当行の市場全体において回避可能な視力障害に取り組む当行の世界規模の支援事業です。当行は視力障害の防止と治療を支援するため、主要なアイケアNGOに資金を提供し、その資金はすべて現地のプロジェクトに直接届けられています。このプログラムは、28,000人の白内障手術施行(当行のスタッフ一人当たり一件に相当)に要する募金を集めるという当行のスタッフ主導の単純な取り組みとしてスタートしましたが、この7年間で3,700万米ドルもの資金を集める世界規模の取り組みとなり、3,000万を超える人々に救いの手を差し伸べるまでに至っています。当行は一銀行として、目標達成に向けてこのプログラムで集められた全募金と同額の寄付をすることを約束します。募金活動は、当行のスタッフが同プログラムの目標を常に積極的に高めつつ、熱心に推進しています。

視覚障害は当行の市場全体にわたる重要な問題です。世界中には4,500万人の視覚障害者がいますが、そのうちの80パーセントは回避可能か治療可能です。そして、この視覚障害者の90パーセントが発展途上国に発生しています。これは、当行がビジネスの拠点とする市場においては健康問題であり、同時に経済問題でもあります。世界全体でみると、回避可能な視覚障害に対策が講じられない場合、それに伴うコストは今後20年間で2,200億米ドルを超える可能性があります。回避可能な視覚障害への取り組みは、最も費用対効果の高い治療介入のひとつです。視力回復のための白内障手術費用は平均で30米ドル、視力検査と眼鏡はわずか5米ドルであり、さらには、河川盲目症については地域全体でわずか30米ドルで対応することができます。個人にとっては、このような治療は、他人に依存する人生を採るか、自立して仕事をして行く人生を採るか―の分かれ目になります。先にあげたチャンハラの例やこれまでに救ってきた何十万もの人々の事例がこのことを証明しています。視覚障害への取り組みがもたらす効果により、個々の受益者が自信を持てるようになるだけでなく、世話をする家族や地域社会全体も介護から解放されて仕事や学校に復帰できるようになりますので、地域社会にはこれらの人々の経済的生産性が上積みとなって利益が生じるのです。当行はあらゆる人たちにこのような事実を十分にご理解いただきたいと願い、ふたつのNGOパートナーと協力して学術研究に共同出資し、回避可能な視覚障害への取り組みの費用対効果、およびその経済的効果影響をさらにしっかりと把握すべく努めています。

視覚障害者支援活動(Seeing is Believing)

当行が前回サステナビリティ・レポートを発表した時点では、SiBは1,700万米ドルを超える募金を集め、予定より3年早く、2010年の目標募金額を達成しました。これらの募金により、20カ国でプロジェクトが開始され、2010年末までに1,100万人を超える人々の人生に変化をもたらす方向に順調に進んでいます。現在までのところ、12のNGOパートナーを通じて20カ国830万の受益者に手を差し延べています。

  • 250万を超える人の白内障手術に貢献
  • 河川盲目症、ビタミンA欠乏症、さらにはトラコーマなどの他の回避可能な障害に苦しむ380万人の人々に治療を実施
  • 60万人以上の屈折異常やその他の眼の治療に資金を提供
  • 39,000人を超える医療従事者にトレーニングを実施

この他、スクリーニング、基礎治療、健康教育も提供しています。例えば、学校のスクリーニングプログラムを通じて、何千人もの子供たちが、軽度の視力障害の矯正に必要な眼の治療を確実に受けられるようにすることができます。軽度であるにもかかわらず、このような障害によって結果的に黒板が見えなくなったり、普通クラスで授業を受けることができなくなったりする恐れもあるのです。

2008年、当行は、2,000万米ドルを集め、当行の拠点における20都市の貧困地域に住む2,000万人の人々を対象に、持続可能かつ総合的なアイケアサービスを提供することを目的として、「New Vision」を立ち上げました。このプロジェクトは一年で軌道に乗って進行中であり、募金集めとプロジェクト開発の両面で素晴らしい成果を挙げています。2009年には、320万米ドルが集まり、2008年の立ち上げからの募金総額は500万米ドルに達しています。昨年の金融不安や世界景気の低迷にもかかわらず、この募金集めは強力な支援を受けおり、当行もこの募金と同額の寄付をしています。すでに目標募金総額の50パーセントが達成され、11カ国で13のプロジェクトが立ち上がっています。これらのプロジェクトでは、世界の都市部の中でも最も貧困にあえぐ地域に住む1,280万人の人々に手を差し延べる計画です。目標は次の通りです。

  • 15万人を超える人々への外科的治療(白内障手術など)
  • 79万人を超える人々への眼の医療処置
  • 発展途上国において基本的な屈折異常の矯正を必要としている人が膨大な数に上っていることを踏まえ、590万人の人々への屈折矯正サービス

これらをすべて達成するため、16,000人超のアイケア・スタッフがトレーニングを受け、また64の眼科施設が新改築される予定です。これにより、当行の都市部の拠点では貧困により社会から取り残された地域の人々が質の高いサービスを持続的に受けられるようになります。

規模、募金集め、取引先との連携

SiBは、世界各地にある当行の拠点全体にわたって募金活動を推進する当行スタッフの幅広い支援により前進しています。SiBには当行の取引先、お客様、利害関係者を取り込める力のあるところから、募金集めはビジネス活動との関係を一層強めています。例えば、8月には当行のプライベートバンク事業部門が取引先とのパートナーシップのひとつの機会として、SiBを取り込んだ「より良い未来への投資」という慈善事業を開始しました。この取り組みによりインド、中国、アフリカにおける3つのプロジェクトの費用が保証されることになりました..さらに、香港とパキスタンにある消費者金融部門が実施する予備計画では、お客様が有するクレジットカードの報酬ポイントのSiB寄付金への転換制度が功を奏し、2010年にはこのプログラムを世界規模にまで発展させる計画となっています。ホールセールバンキング部門では、フィナンシャルマーケッツ部がブローカーを支援して世界保健デーに一年のうちの一日分の手数料をSiBに寄付する施策を実施したことにより、一日の取引で20万米ドルを超える募金が集まりました。

パートナーシップ

「パートナーシップという言葉は乱用されており、権力上の上下関係が全く解消されないままのパートナーシップが多く存在します。スタンダードチャータードとのパートナーシップはこれとは異なり、前向きなものです。それは、両パートナーが互いに異なる考え方を持ち寄りつつ、互いに敬意を払っていることによるものです。」

ピーター・アクランド、国際失明予防協会(IAPB)CEO

SiBは、スタンダードチャータード、アイケアNGOの統括組織IAPB、主要な国際的アイケアNGOであるサイトセイバーズ・インターナショナル、CBM、ヘレン・ケラー・インターナショナル、ORBIS、国際視力保護教育センター、フレッド・ホローズ財団、オペレーション・アイサイト・ユニバーサル、ライト・トゥー・サイトなどが集結したパートナーシップです。IAPBは、2020年までに回避可能な視力障害をなくすためのグローバル・キャンペーンVISION 2020のコーディネーター兼共同創設者として、世界保健機関と協力し、プロジェクトのポートフォリオ開発や、健康に関する戦略的目標、そしてプロジェクトの質について助言を行います。また、当行とアイケアNGOとの関係を支援するとともに、これらのNGOの地理的な比較優位に合わせて投資が行われるよう支援しています。当行は、IAPB内で当行のプロジェクトの監視、評価、品質保証を担当する専門のプロジェクトマネージャーに資金を提供しています。

当行にとって、SiBは一連の募金集めの取り組みの域をはるかに超えたものです。この7年間、当行はスタッフによる募金集め、財政面での直接のコミットメント、風評を基にした資本・ガバナンスの監視などを推進し、その中で密接かつ戦略的な協力の実績を残してきたのです。

SiBを通じた当行のパートナーシップについて詳しくは、こちらをご覧ください。パートナーシップについての独自の調査にリンクしています。

ガバナンス

当行はプロジェクトの監視、厳格な資金運用のため、金融に関する専門知識と各国に広がる現地ネットワークを活用する形でガバナンスを作り上げていますが、こうしたガバナンスの構造がSiBの成長の実績を支えているのです。プログラムの規模と目ざすところが膨らむにつれてガバナンスの構造も進化しており、成長に対応するとともに、当行および当行のビジネス機能全体においてSiBの浸透をさらに推進し、実現しています。当行は今年、募金のコーディネートや上級社員の参加を拡大するため、各国の消費者金融担当CEOや代表者からなる地域募金委員会を立ち上げました。さらに、プロジェクトには各国のチームが積極的に参加して進められており、地元の当事者意識も一段と高まっています。その結果、回避可能な視覚障害への意識向上を目指したスタッフのボランティア活動、支援プログラムの共同開発の場を通じ、地域レベルでのパートナーシップの意義を最大限に高めることができます。  

視覚障害者支援活動(Seeing is Believing)

今後

SiB支援の強力な動きが続いているところから、このプログラムのさらなる拡充のためさまざまな選択肢を現在検討中です。

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2009年度年次報告